不貞行為の相手に対する慰謝料請求
配偶者の不貞行為が原因で夫婦関係が破綻したため、離婚を考えているが、不貞行為の相手に対して慰謝料請求をしたいとのご相談を受けることがあります。
この場合、配偶者と不貞行為の相手が共同して婚姻生活の維持という法的利益を侵害して、精神的苦痛を与えたことになりますので、両者には共同不法行為が成立し、連帯して、精神的苦痛に対する損害(慰謝料)を賠償する義務を負います。そのため、配偶者と不貞行為の相手のいずれか、または両者を相手取って慰謝料請求をすることができます。ただし、一方から損害の全額について賠償を受ければ、他方から更に賠償を受けることはできませんので、ご注意ください。
慰謝料の金額としては、近時、裁判所では、それほど高額なものは認められないことが多いのが実情です。もちろん、ケースバイケースの判断にはなりますが、300万円以内というケースが多く、500万円程度の慰謝料が認められるケースはそれほど多くはありません。
慰謝料請求のための方法としては、以下のような方法が考えられます。
文書による請求
裁判所を利用する手続きの前に、まずは、文書によって不貞行為の相手に対して慰謝料請求をする方法が考えられます。一般的には、(配達証明付き)内容証明郵便を利用することになります。
調停
家庭裁判所または簡易裁判所に、不貞行為の相手に対する慰謝料請求の調停を申し立てる方法です。家庭裁判所の場合は、配偶者に対する離婚調停と併せて申し立てることもできます。相手との間で話し合いの余地があるのであれば、検討すべき方法です。
訴訟
家庭裁判所に、配偶者に対する離婚訴訟と併せて、不貞行為の相手に対する慰謝料請求の訴訟を提起する方法、地方裁判所(または簡易裁判所)に、不貞行為の相手に対してのみ、慰謝料請求の訴訟を提起する方法があります。相手との話し合いが難しければ、調停を経ずに訴訟を提起することも可能です。
不貞行為の相手に対する慰謝料請求については、請求内容や請求方法の検討等に関して判断が難しい場合もありますので、まずは一度弁護士にご相談いただければと思います。当事務所では、不貞行為の相手に対する慰謝料請求について、多くのケースを取り扱ってきましたので、ご相談いただければ、個別のケースに合った適切な方法をアドバイスさせていただきますし、ご依頼を受けて代理人として対応させていただくことも可能です。
投稿者プロフィール
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弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。
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