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子どもの引渡し

離婚前の別居中に勝手に相手に子どもを連れ去られた場合や、離婚後に勝手に相手に子どもを連れ去られた場合に、子どもの引渡しを求める方法は、以下のとおりです。

家庭裁判所に申し立てる方法

まず、家庭裁判所に、「子どもの監護に関する処分」として、子どもの引渡しを求める調停、審判を申し立てる方法があります。また、離婚訴訟を提起する際に、子どもの引渡しを求める方法もあります。緊急性がある場合(例えば、連れ去った親による虐待がある場合など)には、

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審判前の保全処分を申し立て、早急に子どもの引渡しを求める方法があります。

地方裁判所に申し立てる方法

一刻も早く子どもを取り戻したいという場合、地方裁判所に、人権保護請求をするという方法があります。人権保護請求は、正当な手続きによらないで拘束されている者の救済を求める手段ですが、請求があってから1週間以内を目処に審問が開かれ、相手側の行動に違法性があると認められると、子どもの引渡しを命じる判決が得られ、迅速に子どもを取り戻すことができます。

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なお、最高裁判所は、別居中の夫婦間における子どもの引渡しについて、人身保護請求が認められる場合を制限する判決をしています。すなわち、離婚前の夫婦間では共同親権の状態にあるため、夫婦の一方による子どもの拘束に顕著な違法性があるというためには、拘束者(子どもを連れ去った親)が子どもを監護することが、請求者(子どもを連れ去られた親)による監護と比べて子どもの幸福に反することが明白でなければならないとしています。そのため、別居中の夫婦間における子どもの引渡しについては、前述の家庭裁判所の審判前の保全処分の利用が多くなっているのです。

手続きの選択について

以上の家庭裁判所に申し立てる手続き、地方裁判所に申し立てる手続きのいずれを選択するかについては、具体的な状況を見ての判断が必要となりますし、専門的な知識も必要となりますので、早急に弁護士にご相談いただきたいと思います。なお、人身保護請求については、法律上、原則として弁護士を代理人として訴訟提起をしなければならないことになっています。
最後に、注意していただきたいことがあります。それは、実の親であっても、親権者や監護権者の承諾を得ないまま未成年の子どもを連れ去った場合、刑法224条の未成年略取、あるいは誘拐の罪に該当する可能性があるということです。

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自分が子どもを引き取りたいということであれば、きちんとした手続きをとるようにしてください。

投稿者プロフィール

高橋 善由記
高橋 善由記
弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。