親権者・監護権者の変更等
離婚の際にいったん親権者は決まりますが、その後、親権者・監護権者の生活環境・収入の変化等によって、子どもの福祉(子どもの利益)にとって必要な場合には、親権者を変更することが可能です。
離婚後に親権者を変更するときは、家庭裁判所の親権者変更の調停または親権者変更の審判によらなければなりません。親権者の変更を申し立てることが可能なのは、子どもの親族で、例えば子どもの祖父母も申立てを行なうことが可能です。
親権者が変更された場合、戸籍も変更が必要になります。調停成立や審判確定から10日以内に調停調書や審判調書を市区町村役場に提出して手続きを行ないます。
監護権者の変更は、父母の合意があれば、家庭裁判所を通さずとも話し合いだけで行なうことが可能です。ただ、話し合いがまとまらない場合は、家庭裁判所の監護権者変更の調停または監護権者変更の審判によることになります。
親権喪失の審判
父または母による虐待または悪意の遺棄があるときその他父または母による親権の行使が著しく困難または不適当であることにより子どもの利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子ども、その親族等の請求により、その父または母について、親権喪失の審判をすることができます。ただし、2年以内にその原因が消滅する見込みがあるときは、この限りではありません(この場合は、以下の親権停止の制度によることになります)。
ここで知っておいていただきたいことは、仮に親権の喪失が認められた場合であっても、自動的にもう一方の親が親権者になるわけではないという点です。もし、親権者
となることを希望するのであれば、家庭裁判所に親権者の変更を申し立てることが必要になります。
親権停止の審判
父または母による親権の行使が困難または不適当であることにより子どもの利益を著しく害するときは、家庭裁判所は、子ども、その親族等の請求により、その父または母について、親権停止の審判をすることができます。家庭裁判所は、親権停止の審判をするときは、その原因が消滅するまでに要すると見込まれる期間、子どもの心身の状態及び生活の状況その他一切の事情を考慮して、2年を超えない範囲で、親権を停止する期間を定めます。
投稿者プロフィール
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弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。
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