認知と養育費の問題
子どもが生まれたときに、両親が婚姻中であれば、自動的に父子関係も認められます。夫婦が離婚するとき、養育費を取り決める必要があります。
しかし、結婚していないという場合は、生まれた子どもの養育費はどうなるのでしょうか。
認知
法律上の父がない子(母親が婚姻していない間に懐胎した子や、婚姻中の懐胎であっても夫が嫡出否認の申立をして夫と子の親子関係がないとされた場合の子)は、認知によって、法律上の父と子の親子関係が定まります。
認知の種類
認知には任意認知や裁判による裁判認知(強制認知)と遺言認知があります。
任意認知は戸籍法による届出です。つまり認知届を役所に出すことによって認知となります。
裁判認知(強制認知)とは、父が認知届を提出してくれない場合に、裁判所が認めることで認知するというものです。
遺言認知は、認知は遺言によっても行うことができ、父親が自ら認めるという点で任意認知ではありますが、これは相続人の人数が変わるという重要な手続きです。
認知の問題
認知により親子となるので、扶養義務や相続権が発生します。
養育費の問題
法律的には、認知で『父子関係』が成立します。
養育費については、家庭裁判所では、原則として請求した時点以降からもらえることになります。過去に遡って請求することはできません。
出生後からの養育費を受け取れるようにするため、当事務所では、依頼を受けるとすぐに相手方に対して、弁護士名で内容証明郵便により養育費を請求します。
また、養育費の額、支払い方法、期間等について、協議が整った場合、公証役場において公正証書を作成します。
相続権の問題
認知がなされると、子は「認知がされたときから」ではなく、「生まれたときから」父の子であったことになり、父の相続人となります。
法的な親子関係が認められるため、その子どもは、第一順位の相続権を取得します(民法900条1号)。
したがって、父親に現預金、不動産、株式等の相続財産があれば、原則としてその子どもは、相続することが可能となります。
これは、父親が他の女性と結婚してその女性との間に子ども(「嫡出子」といいます。)がいる場合であっても同様です。
※従来は、嫡出でない子の相続分は嫡出子の相続分の2分の1でしたが、最高裁から憲法違反と判断され、法改正があり、平成25年9月5日以後に開始した相続については、嫡出子と嫡出でない子の相続分が同等となりました。 |
なお、相手方に直接連絡を取りたくない場合や、相手方が認知に応じていない場合、弁護士が依頼者に代わって相手方に認知に応じるように交渉(説得)します。
弁護士という法律の専門家が直接交渉することで、相手方を説得できる可能性があります。
お一人で悩まず、当事務所の弁護士にお気軽にご相談ください。
投稿者プロフィール
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弁護士 仙台弁護士会所属
専門分野:離婚
経歴:仙台生まれ。仙台第一高等学校卒業後、上智大学文学部英文科に進学。卒業後、平成14年に弁護士登録。勅使河原協同法律事務所(仙台)を経て、平成24年に高橋善由記法律事務所を開業し、現在に至る。主に離婚問題の解決に従事し、相談者の抱えている問題に寄り添いながら最適な方法を提案し、新たな人生の始まりをサポートしている。
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